「ちょっと言いにくいことをどう伝えよう…」
「ストレートに言ったら角が立ちそう…」
そんなときに役立つのがクッション言葉です。
クッション言葉とは、本題に入る前に添えることで、相手に与える印象を和らげる言葉のことを言います。
ビジネスメールや電話対応、日常会話でも「相手に配慮しながら自分の意見を伝える」ために、とても便利な表現ですね。
この記事では、クッション言葉の意味から使い方、具体例、そして注意点まで詳しく解説します。
読み終えたころには、あなたの言葉づかいがぐっと柔らかくなるはずですよ。
クッション言葉とは?

クッション言葉とは、本題に入る前に添えることで、相手に与える印象を和らげる言葉のことです。
例えば…
- 「突然ですが、」
- 「恐れ入りますが、」
- 「よろしければ、」
これらを一言添えるだけで、印象は大きく変わります。
なぜ必要なのか?
日本語は特に「和を重んじる文化」があるため、直接的すぎる表現は「きつい」「冷たい」と感じられることがあります。
クッション言葉は、相手への敬意や思いやりを示しながら、伝えたい内容をスムーズに届けるための潤滑油のような役割を果たします。
クッション言葉の具体例と使い方

ここでは、依頼・質問・注意・断りなど、シーンごとに使える具体的なクッション言葉とその使い方をご紹介します。
一言添えるだけで相手に与える印象が大きく変わるので、ぜひ参考にしてみてください。
1. 依頼するとき
依頼はそのまま言うと命令に聞こえがち。クッション言葉で柔らかさを加えます。
- 「お手数ですが、こちらの資料をご確認いただけますでしょうか」
- 「恐れ入りますが、少々お時間をいただけますか」
- 「可能であれば、ご対応いただけると幸いです」
👉 「〜してください」よりも、相手への配慮をにじませることができます。
2. 質問するとき
質問も、唐突だと相手に「詰問されている」と感じさせてしまうことがあります。
- 「差し支えなければ、担当者様のお名前を伺ってもよろしいでしょうか」
- 「失礼ですが、こちらの商品はまだ在庫がございますか」
- 「念のため確認させていただきたいのですが…」
👉 「差し支えなければ」「失礼ですが」を添えることで、自然に聞きやすい雰囲気を作れます。
3. 注意・指摘するとき
注意や指摘は、最もデリケートな場面です。
クッション言葉を入れることで印象を和らげられます。
- 「お気づきかもしれませんが、こちら少し誤りがあるようです」
- 「申し訳ございませんが、こちら修正をお願いできますでしょうか」
- 「失礼ながら、こちらの表現は誤解を招く可能性があります」
👉 相手を立てながら伝えることで、角を立てずに改善を促せます。
4. 断るとき
断るのは誰にとっても気が重いもの。
ここでクッション言葉が力を発揮します。
- 「せっかくのお話ですが、今回はご遠慮させていただきます」
- 「大変心苦しいのですが、こちらの案件は対応が難しい状況です」
- 「ありがたいお話ですが、今回は辞退させていただきたく存じます」
👉 ストレートな「できません」よりも、柔らかい印象に。
ビジネスシーン別のクッション言葉活用術

クッション言葉は使い方ひとつで、相手への印象を大きく変えることができます。
特にビジネスの場では、メールや電話、会議などシーンごとに適した言葉を選ぶことが重要です。
ここでは、具体的なビジネスシーン別に、クッション言葉をどう活用すればより丁寧で伝わりやすい表現になるのかを解説します。
ビジネスメールで
- 冒頭に「いつもお世話になっております」を添えるだけで、冷たい印象を防げます。
- 「恐れ入りますが」「念のためご確認いただけますと幸いです」といった表現を挟むと、相手が受け取りやすい文面に。
電話対応で
- 「今お時間よろしいでしょうか」から会話を始めると、相手の状況に配慮できている印象に。
- 取り次ぎを依頼するときは「お忙しいところ恐れ入りますが」と添えると、ぐっと丁寧さが増します。
日常会話で
- 「ちょっとだけお願いしてもいい?」
- 「もし可能なら、明日一緒に来てくれる?」
- 「気を悪くしないで聞いてほしいんだけど…」
👉 家族や友人にも自然に使えるクッション言葉は、人間関係をスムーズに保ちます。
クッション言葉 一覧表(シーン別)
シーン別に使える代表的なクッション言葉を一覧表にまとめました。
ビジネスメールや電話、日常会話など、さまざまな場面でスムーズに使える言葉がすぐに見つかりますよ。
シーン | クッション言葉 | 使用例 |
---|---|---|
依頼するとき | お手数ですが / 恐れ入りますが / ご面倒をおかけしますが | 「お手数ですが、こちらの書類をご確認いただけますか」 |
質問するとき | 差し支えなければ / 失礼ですが / 念のため | 「差し支えなければ、ご所属を伺ってもよろしいでしょうか」 |
注意・指摘するとき | お気づきかもしれませんが / 失礼ながら / 恐縮ですが | 「お気づきかもしれませんが、こちら誤りがございます」 |
断るとき | せっかくですが / あいにくですが / 大変心苦しいのですが | 「せっかくですが、今回は辞退させていただきます」 |
電話対応で | 恐れ入りますが / お忙しいところ恐縮ですが / 今お時間よろしいでしょうか | 「恐れ入りますが、担当の方をお願いできますでしょうか」 |
メール冒頭で | いつもお世話になっております / 平素よりご愛顧いただきありがとうございます | 「いつもお世話になっております。◯◯株式会社の△△です」 |
日常会話で | ちょっとお願いがあるんだけど / もしよければ / 気を悪くしないで聞いてほしいんだけど | 「もしよければ、明日一緒に買い物に行かない?」 |
クッション言葉を使うときの注意点

便利なクッション言葉ですが、使い方を間違えると逆効果になってしまうこともあります。
せっかく柔らかく伝えようとしても、多用しすぎたり場面に合わなかったりすると、くどく感じられたり、肝心な内容が伝わらなかったりすることも…
ここでは、クッション言葉を使うときに押さえておきたいポイントや注意点を解説します。
1. 多用しすぎない
文章や会話のたびに「恐れ入りますが」を入れると、くどくなって逆効果。バランスが大切です。
2. 本音を隠しすぎない
クッション言葉に頼りすぎて肝心な内容が伝わらなくなるのは本末転倒。
あくまで「伝えやすくするためのサポート」として使いましょう。
3. 相手やシーンに合わせる
目上の人には「恐れ入りますが」、親しい人には「ちょっとお願いがあるんだけど」など、場面に応じて言葉を選ぶことが大切です。
まとめ
クッション言葉は、
- 相手への配慮を示す
- 会話や文章をスムーズにする
- 人間関係を良好に保つ
といった効果を持つ、まさに「言葉の潤滑油」です。
ほんのひと言を添えるだけで、相手の受け取り方は大きく変わります。
今日からぜひ、メールや会話の中に取り入れてみてくださいね。

